うつ病で休職中、あるいは体調を崩して「働きたいけど、どうすればいいかわからない…」と悩んでいませんか?
一般企業への就職を目指す上で、「就労移行支援」という言葉を目にしたことがあるかもしれませんね。
私は以前、就労継続支援B型事業所を利用し、そこから社会復帰を果たしました。


幸いなことに、作業療法士という資格があったため、体調面を除けば転職活動自体には困りませんでした。
そのため、「就職に必要な知識やスキル向上」を目的とした就労移行支援は利用しませんでした。
しかし、誰もが私と同じ状況とは限りません。就労移行支援は、まさに「一般企業への就職を目指す方」にとって非常に重要なサポートとなるサービスです。

一般企業に就職したい方は、一番始めに検討するのが就労移行支援ですね!
この記事では、以下の内容を解説していきます。
1. 就労移行支援とは?「就職」を目指すための訓練とサポート

就労移行支援は、病気や障害などにより一般企業への就職が難しい方を対象に、就職に必要な知識やスキル向上のためのサポートを行う福祉サービスです。
障害者総合支援法に基づいて提供されています。
就労移行支援の主な特徴

A型・B型作業所と違い「訓練と準備の場」なので、給料や工賃は出ません。
就労継続支援(A型・B型)やハローワークとの違い
就労支援サービスにはいくつか種類があり、それぞれ目的が異なります。
| サービス名 | 目的 | 雇用契約・賃金 | 利用期間 |
| 就労移行支援 | 一般就労に向けた訓練・準備 | なし・無給 | 原則2年間 |
| 就労継続支援A型 | 働く場の提供・一般就労への準備 | あり・給料 | 制限なし |
| 就労継続支援B型 | 働く場の提供・リハビリ | なし・工賃 | 制限なし |
| ハローワーク | 求人紹介・雇用保険手続き | ― | 制限なし |
ハローワークのような求人紹介だけでなく、就労移行支援は就職に必要な訓練や、就職後の定着支援まで含めた包括的なサポートを受けられる点が特徴です。
文字だけだと複雑なので、イメージ図にしてみました。


A型・B型は『働く場所』ですが、就労移行支援は『学校』のようなイメージです。
給料は出ませんが、その分一般企業への就職率は圧倒的に高いのが特徴です。
2. 就労移行支援で受けられるサポートと訓練内容

就労移行支援では、あなたが一般企業で安定して働き続けるための、さまざまなサポートと専門的な訓練が受けられます。
「就職」に特化した4つの柱
就労に向けたトレーニング
事業所に定期的に通うことで、生活リズムを整え、基礎体力を向上させます。
また、就労に役立つ専門的なプログラムも用意されています。
うつ病で集中力や持続力が低下しやすい方にとって、こういった訓練は失われた能力を再構築する練習なります。

うつ病になって「計算ができなくなった」など、認知機能の低下に悩まされている人は多いですよね…
段階的にスキルを習得することで、自信を取り戻すことにも繋がるでしょう。
職場見学・実習
実際に企業を訪問して見学したり、短期間の職場実習に参加したりする機会が提供されます。
「どんな職種が向いているか」「どんな職場環境なら落ち着いて働けるか」を、体調への影響を考慮しながら試せる貴重な機会です。
書籍やネットの情報だけでは分からない、リアルな職場の雰囲気を肌で感じ、自分に合っているかを判断しましょう。
就職活動サポート
応募書類の作成から面接対策まで、専門のスタッフが就職活動をきめ細かくサポートしてくれます。
一人で就職活動を進めるのは、精神的に大きな負担になります。
専門家と一緒に行うことで、不安を軽減し、効率的に活動を進められるでしょう。

サポートしてくれる人がいるのは安心ですね!
就職後の職場定着支援
就職したら終わりではありません。
就職後6ヶ月間(必要に応じて最長3年間)は、安定して働き続けられるようにサポートが続きます。
「就職したらまた体調を崩すのでは?」という不安は、うつ病当事者なら抱えていますよね。
就職後も継続的にサポートがあることは、長期的な安心感に繋がり、安心して新しい一歩を踏み出す後押しになるでしょう。

このサポートは私も欲しいなと思いました!
3. 利用条件、期間、費用、そして「給料なし」のハードルと乗り越え方

就労移行支援を利用するにあたって、気になるのが「誰が使えるのか」「どれくらいの期間、費用がかかるのか」といった基本的な情報ですよね。
利用条件
利用期間
就労移行支援を利用できる期間は、原則最長2年間です。
この2年間の中で、就職に必要なスキルを身につけ、就職を目指していきます。
もし2年間で就職が難しい場合でも、市区町村に申請し、必要性が認められれば期間の延長が可能です。
利用料金
就労移行支援の利用料は、所得に応じて自己負担額が設定されていますが、多くの方が自己負担0円で利用しています。
世帯の収入状況ごとの負担上限月額(目安)
| 区分 | 世帯の収入状況(本人と配偶者の合計) | 負担上限月額 |
| 生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 低所得 | 市町村民税非課税世帯(年収約300万円以下) | 0円 |
| 一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満、年収約670万円以下) | 9,300円 |
| 一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
※この「世帯収入」には親の収入は含まれません。詳細はお住まいの自治体にご確認ください。
「給料なし」のハードルと乗り越え方
就労移行支援の最大のハードルの一つは、訓練期間中に給料が発生しない点です。
うつ病で経済的な不安を抱える方にとっては、この「収入がない期間」をどう乗り切るかが大きな懸念となるでしょう。
私自身、うつ病で休職中は金銭的な不安に悩まされました。
もし収入がない状況で就労移行支援を利用するなら、事前にしっかり対策を考えると思います。
乗り越えるための対策と準備
もし収入がない状況で就労移行支援を利用するなら、事前にしっかり対策を考えると思います。
私が提案する「乗り越えるための対策」をまとめました。

- 公的制度の活用
- 「交通費・昼食代」が出る事業所を選ぶ
- 実は、事業所によっては「交通費」や「ランチ代」を支給してくれるところがあります。
- これだけで月々の出費が数万円変わってくるので、経済的な不安がある方はそういった事業所を選ぶのが賢い選択です。
自立訓練という選択肢も
ちなみに、「就労移行支援」は就職を目指す場所ですが、その前段階として「生活訓練(自立訓練)」という制度もあります。
「まだ働く自信がない」という方は、こちらから始めるのがおすすめです。
4. なぜ当時の私には就労移行支援が必要なかったのか?

ここまで就労移行支援のメリットを解説してきましたが、「なぜ私は利用しなかったのか」と疑問に思う方もいるかもしれませんね。
作業療法士という専門職の強み
私は幸い、作業療法士という専門資格を持っていました。
そのため、体調面を除けば、転職活動自体には大きな困りごとはありませんでした。
履歴書の書き方や面接の受け方、社会人としての基礎的なスキルはすでに身についていたため、「就職に必要な知識やスキル向上」を目的とした就労移行支援は、当時の私には必要ありませんでした。
当時の優先順位
就労継続支援B型での記事でも触れましたが、うつ病で休職したばかりの私にとって最優先事項は「生活リズムの立て直しと体力回復」でした。
当時は、雇用契約がないB型作業所で、給料は少なくてもゆるやかに社会と繋がり、無理なく活動できる環境が最適でした。
雇用契約がなく、かつ収入が得られない就労移行支援は、当時の私の回復段階や経済状況とは合致しなかったと判断したのです。
「必要ない」はネガティブな意味ではない
私には必要なかった就労移行支援ですが、それはこのサービスが「不要」ということでは決してありません。
むしろ、私のように特別な資格や経験に自信がない方、あるいは「働くこと」そのものに強い不安がある方にとっては、非常に強力な味方となるサービスだと確信しています。
就労移行支援は、あなたが「働きたい」という気持ちを具現化し、自信を持って社会へ一歩を踏み出すための、貴重なステップになり得るのです。
5. あなたに最適な就労移行支援事業所の選び方

就労移行支援事業所は全国に3,000可以上あります。
「多すぎて選べない…」という方は、以下の3つの基準で絞り込んでみてください。

1. 「お金」で選ぶ

とにかく出費を抑えたい!
👉 交通費・昼食代が出る事業所(ココルポートなど)がおすすめ。
2. 「スキル」で選ぶ

ITスキルを身につけて在宅ワークしたい!
👉 Web制作やプログラミング特化型(atGP、Neuro Diveなど)がおすすめ。
3. 「病気」で選ぶ

自分の病気に詳しいスタッフがいい!
「自分にはどれが合ってるの?」と迷ったら…
以下の記事で、3秒で分かるタイプ別診断を用意しました。
失敗しない選び方のロードマップもまとめているので、事業所探しの前に必ずチェックしてください!
最後に:最初の一歩は「知ること」から
「自分にはまだ早いかも…」と思うかもしれません。
でも、どんなサービスがあるのか知っておくだけで、「いざとなったら頼れる場所がある」という安心感に繋がります。
まずはあなたに合ったサービスがどれなのか、診断だけでも試してみてくださいね。
精神疾患の方が利用できる制度をまとめた記事もあります!










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