【うつ病ブログ】就労移行支援は必要?リアルな体験談と選び方

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【うつ病ブログ】就労移行支援は必要?リアルな体験談と選び方 おりをりおが解説する精神疾患支援サービス
この記事を書いた人
おりを りお

うつ病になった作業療法士。障害者手帳、年金は3級。
うつ病と診断されて休職、退職、復職した経験を、当時の日記からブログに起こしています。
また、作業療法士の知識を生かして、精神疾患のある方やそのご家族向けの情報をまとめています。

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うつ病で休職中、あるいは体調を崩して「働きたいけど、どうすればいいかわからない…」と悩んでいませんか?

一般企業への就職を目指す上で、「就労移行支援」という言葉を目にしたことがあるかもしれませんね。

私は以前、就労継続支援B型事業所を利用し、そこから社会復帰を果たしました。

幸いなことに、作業療法士という資格があったため、体調面を除けば転職活動自体には困りませんでした。

そのため、「就職に必要な知識やスキル向上」を目的とした就労移行支援は利用しませんでした

しかし、誰もが私と同じ状況とは限りません。就労移行支援は、まさに「一般企業への就職を目指す方」にとって非常に重要なサポートとなるサービスです。

おりをりお
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一般企業に就職したい方は、一番始めに検討するのが就労移行支援ですね!

この記事では、以下の内容を解説していきます。

1. 就労移行支援とは?「就職」を目指すための訓練とサポート

就労移行支援 ブログ うつ病

就労移行支援は、病気や障害などにより一般企業への就職が難しい方を対象に、就職に必要な知識やスキル向上のためのサポートを行う福祉サービスです。

障害者総合支援法に基づいて提供されています。

就労移行支援の主な特徴

  • 最終的な目標は一般企業への就職です。
  • 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)、難病のある方が対象です。原則18歳から64歳まで利用できます。
  • 雇用契約はなく、給料は発生しません。
    これが、就労継続支援(A型・B型)との大きな違いです。
  • 事業所が直接職業紹介は行わず、ハローワークや障害者就業・生活支援センターなどと連携して就職をサポートします。
  • 障害者手帳がなくても、医師の診断や定期的な通院があれば利用できる場合があります。
    まずは地域の窓口や事業所に相談してみましょう。
おりをりお
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A型・B型作業所と違い「訓練と準備の場」なので、給料や工賃は出ません。

就労継続支援(A型・B型)やハローワークとの違い

就労支援サービスにはいくつか種類があり、それぞれ目的が異なります。

サービス名目的雇用契約・賃金利用期間
就労移行支援一般就労に向けた訓練・準備なし・無給原則2年間
就労継続支援A型働く場の提供・一般就労への準備あり・給料制限なし
就労継続支援B型働く場の提供・リハビリなし・工賃制限なし
ハローワーク求人紹介・雇用保険手続き制限なし

ハローワークのような求人紹介だけでなく、就労移行支援は就職に必要な訓練や、就職後の定着支援まで含めた包括的なサポートを受けられる点が特徴です。

2. 就労移行支援で受けられるサポートと訓練内容

就労移行支援 ブログ うつ病

就労移行支援では、あなたが一般企業で安定して働き続けるための、さまざまなサポートと専門的な訓練が受けられます。

「就職」に特化した4つの柱

就労に向けたトレーニング

事業所に定期的に通うことで、生活リズムを整え、基礎体力を向上させます。

また、就労に役立つ専門的なプログラムも用意されています。

  • ビジネスマナー
    挨拶や身だしなみ、報連相など、職場での基本的な振る舞いを学びます。
  • PCスキル訓練
    Word、ExcelなどのOfficeソフトの操作や、データ入力のスキルを習得します。
  • SST(社会生活技能訓練)
    円滑な人間関係を築くためのコミュニケーションスキルを身につけます。
  • グループワーク
    他の利用者さんとの共同作業を通じて、協調性や問題解決能力を養います。

うつ病で集中力や持続力が低下しやすい方にとって、こういった訓練は失われた能力を再構築する練習なります。

おりをりお
おりをりお

うつ病になって「計算ができなくなった」など、認知機能の低下に悩まされている人は多いですよね…

段階的にスキルを習得することで、自信を取り戻すことにも繋がるでしょう。

職場見学・実習

実際に企業を訪問して見学したり、短期間の職場実習に参加したりする機会が提供されます。

「どんな職種が向いているか」「どんな職場環境なら落ち着いて働けるか」を、体調への影響を考慮しながら試せる貴重な機会です。

書籍やネットの情報だけでは分からない、リアルな職場の雰囲気を肌で感じ、自分に合っているかを判断しましょう。

就職活動サポート

応募書類の作成から面接対策まで、専門のスタッフが就職活動をきめ細かくサポートしてくれます

  • 履歴書・職務経歴書添削
    あなたの強みや特性が伝わる効果的な書類作成を支援します。
  • 模擬面接
    本番さながらの練習で、自信を持って面接に臨めるようサポート。必要に応じて、企業への配慮事項を伝える同行支援も行います。
  • 求人情報の提供・マッチング
    あなたの希望や適性に合った求人を探し、応募を支援します。

一人で就職活動を進めるのは、精神的に大きな負担になります。

専門家と一緒に行うことで、不安を軽減し、効率的に活動を進められるでしょう。

おりをりお
おりをりお

サポートしてくれる人がいるのは安心ですね!

就職後の職場定着支援

就職したら終わりではありません。

就職後6ヶ月間(必要に応じて最長3年間)は、安定して働き続けられるようにサポートが続きます。

  • 職場訪問・定期面談
    あなたや職場の担当者と定期的に面談し、困りごとがないか確認します。
  • 業務調整・関係機関との連携
    職場で問題が生じた場合、事業所が企業と連携し、業務内容や環境の調整をサポートします。

「就職したらまた体調を崩すのでは?」という不安は、うつ病当事者なら抱えていますよね。

就職後も継続的にサポートがあることは、長期的な安心感に繋がり、安心して新しい一歩を踏み出す後押しになるでしょう。

おりをりお
おりをりお

このサポートは私も欲しいなと思いました!

3. 利用条件、期間、費用、そして「給料なし」のハードルと乗り越え方

就労移行支援 ブログ うつ病

就労移行支援を利用するにあたって、気になるのが「誰が使えるのか」「どれくらいの期間、費用がかかるのか」といった基本的な情報ですよね。

利用条件

  • 身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病のある方
  • 原則18歳以上65歳未満の方
  • 一般企業などへ就職したいと考えている方、または休職中の方 (休職中の方は、一定の条件を満たせば利用可能です。)

利用期間

就労移行支援を利用できる期間は、原則最長2年間です。

この2年間の中で、就職に必要なスキルを身につけ、就職を目指していきます。

もし2年間で就職が難しい場合でも、市区町村に申請し、必要性が認められれば期間の延長が可能です。

利用料金

就労移行支援の利用料は、所得に応じて自己負担額が設定されていますが、多くの方が自己負担0円で利用しています

世帯の収入状況ごとの負担上限月額(目安)

区分世帯の収入状況(本人と配偶者の合計)負担上限月額
生活保護生活保護受給世帯0円
低所得市町村民税非課税世帯(年収約300万円以下)0円
一般1市町村民税課税世帯(所得割16万円未満、年収約670万円以下)9,300円
一般2上記以外37,200円

※この「世帯収入」には親の収入は含まれません。詳細はお住まいの自治体にご確認ください。

「給料なし」のハードルと乗り越え方

就労移行支援の最大のハードルの一つは、訓練期間中に給料が発生しない点です。

うつ病で経済的な不安を抱える方にとっては、この「収入がない期間」をどう乗り切るかが大きな懸念となるでしょう。

私自身、うつ病で休職中は金銭的な不安に悩まされました。

もし収入がない状況で就労移行支援を利用するなら、事前にしっかり対策を考えると思います。

乗り越えるための対策と準備

  • 公的制度の活用
    • 障害年金
      障害や病気により生活に支障が出た場合にもらえる年金です。就労移行支援と併用できる可能性があります。
    • 失業保険
      一般企業などを退職した場合、失業保険を受給しながら就労移行支援を利用できる可能性があります。ハローワークで相談しましょう。
  • 貯蓄など経済的な準備
    訓練に集中するためには、ある程度の貯蓄があると安心です。
  • 事業所による補助
    一部の事業所では、昼食提供や交通費補助を行っている場合もあります。見学時に確認してみましょう。

金銭的な不安が解消されれば、訓練に集中し、より効果的に就職準備を進められるはずです。

精神疾患の方が利用できる経済的支援制度を5つまとめた記事もありますので、参考にしてみてくださいね!

4. なぜ当時の私には就労移行支援が必要なかったのか?

就労移行支援 ブログ うつ病

ここまで就労移行支援のメリットを解説してきましたが、「なぜ私は利用しなかったのか」と疑問に思う方もいるかもしれませんね。

作業療法士という専門職の強み

私は幸い、作業療法士という専門資格を持っていました。

そのため、体調面を除けば、転職活動自体には大きな困りごとはありませんでした。

履歴書の書き方や面接の受け方、社会人としての基礎的なスキルはすでに身についていたため、「就職に必要な知識やスキル向上」を目的とした就労移行支援は、当時の私には必要ありませんでした。

当時の優先順位

就労継続支援B型での記事でも触れましたが、うつ病で休職したばかりの私にとって最優先事項は「生活リズムの立て直しと体力回復」でした。

当時は、雇用契約がないB型作業所で、給料は少なくてもゆるやかに社会と繋がり、無理なく活動できる環境が最適でした。

雇用契約がなく、かつ収入が得られない就労移行支援は、当時の私の回復段階や経済状況とは合致しなかったと判断したのです。

「必要ない」はネガティブな意味ではない

私には必要なかった就労移行支援ですが、それはこのサービスが「不要」ということでは決してありません。

むしろ、私のように特別な資格や経験に自信がない方、あるいは「働くこと」そのものに強い不安がある方にとっては、非常に強力な味方となるサービスだと確信しています。

就労移行支援は、あなたが「働きたい」という気持ちを具現化し、自信を持って社会へ一歩を踏み出すための、貴重なステップになり得るのです。

5. あなたに最適な就労移行支援事業所の選び方

就労移行支援 ブログ うつ病

就労移行支援事業所は全国にたくさんあり、支援内容もさまざまです。

あなたに合った事業所を見つけることが、成功への鍵となります。

利用までの具体的な流れ

  1. 主治医に相談: 利用が可能か、体調面を考慮して相談します。
  2. 事業所を探す: ハローワークや自治体の窓口、インターネットなどで情報を集めます。
  3. 事業所の選考を受ける: 見学や説明を受け、応募。面接などがあります。
  4. 「障害福祉サービス受給者証」を申請: 事業所の利用が決まったら、市区町村の障害福祉窓口で申請します。
  5. サービス開始: 受給者証が発行されたら、事業所と契約し利用開始です。

自分に合った事業所を見つけるためのチェックポイント

  • 訓練プログラムの充実度
    あなたが身につけたいスキルや、目指したい職種に合ったプログラムが用意されているか確認しましょう。
    幅広い種類の訓練がある方が、自分の適性を見つけやすいかもしれません。
  • 個別支援計画の質
    あなたの希望や体調に合わせた、きめ細やかな訓練計画を一緒に考えてくれるかを確認しましょう。
  • 事業所の雰囲気
    実際に足を運び、利用者の様子やスタッフの雰囲気、サポート体制などを肌で感じてください。
    特に、うつ病の方は、体調不良時に休めるスペースがあるか、スタッフが柔軟に対応してくれるかなどをチェックすると良いでしょう。
  • 就職実績と定着支援の内容
    どのような企業への就職実績があるか、就職後のサポート(定着支援)は手厚いかを確認することは、長期的な安心感に繋がります。
  • 通いやすさ
    週に何回か通うことになるため、自宅からの距離や交通手段、交通費(補助の有無)などを考慮し、無理なく通える場所を選びましょう。

見学・体験利用の重要性

気になる事業所が見つかったら、必ず見学や体験利用をしましょう。

実際に体験することで、ウェブサイトだけでは分からない雰囲気や訓練内容を肌で感じ、本当に自分に合っているかを見極めることができます。

おりをりお
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おすすめの就労移行支援サービスは、こちらにまとめています!

まとめ

就労移行支援は、うつ病などで一般就労が難しい方が、「働くための準備」を専門的に進める上で、非常に心強い味方となるサービスです。

収入がない期間をどう乗り切るかという課題はありますが、それに見合うだけの専門的な訓練と就職・定着サポートが得られます。

私自身は利用しませんでしたが、それは当時の状況と私の資格が要因であり、「誰かにとって最適なサービスは、あなたにとっても最適とは限らない」ということを改めてお伝えしたいです。

あなたの「働きたい」という気持ちを大切に、ご自身の状況や目標に合ったサービスを焦らず見極めてください。

就労移行支援が、あなたの社会復帰への大きな一歩となることを願っています。

精神疾患を抱えている人が頼れる制度一覧をまとめた記事もあります。

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