こんにちは、うつ病経験者の現役作業療法士、おりをりおです。
最近、SNSなどで「風呂キャンセル界隈」という言葉をよく見かけませんか?
お風呂に入るのが面倒で、入るのをやめてしまう人たちのことですが……。
うつ病療養中の私たちにとって、これは笑い事ではありませんよね。
「キャンセルしたい」のではなく、「入りたくても身体が動かなくて、結果的にキャンセルになってしまう」のが現実だからです。

これってただの甘えなのかな……

流行りの言葉で誤魔化してるけど、本当は不潔なだけ?
そう自分を責めてしまっているあなたへ。
安心してください。作業療法士の視点で見れば、それは甘えでも流行りでもなく、脳のSOSサインです。
今回は、なぜうつ病になると「風呂キャンセル」してしまうのか、その医学的な理由と、自分を責めずに清潔を保つ工夫についてお話しします。
なぜ「甘え」と感じてしまうのか?(OT視点の分析)

「お風呂に入れないなんて、ただの甘えだ」 そう自分を責めていませんか?
でも、作業療法士の視点で見ると、それは甘えでも怠けでもなく、「脳のエネルギー不足によるエラー」だと断言できます。
なぜなら、入浴は私たちが思っている以上に「超・高難易度なタスク」だからです。
健常な人は無意識にやっていますが、お風呂に入るためにはこれだけの工程をこなす必要があります。
- 入る決心をする(ここが一番重い)
- 着替えやタオルを準備する
- 浴室を暖める・お湯を張る
- 服を脱ぐ
- 髪を洗う(腕を上げ続ける重労働)
- 体を洗う
- 体を拭く
- 髪を乾かす(ドライヤーという騒音と熱への耐性が必要)
- スキンケアをする
- 服を着る
……どうでしょう?書いているだけで疲れてきませんか?
うつ病で「決断力」や「身体を動かすエネルギー」が枯渇している状態の脳にとって、これら10個以上の工程を連続してこなすのは、フルマラソンを走るのと同じくらい過酷なことなのです。
だから、「入れない」のはあなたがだらしないからではありません。
「今のエネルギー残量では、高コストすぎる作業だからエラーが出ている」だけなのです。

私もお風呂になかなか入れない自分に嫌気がさして、自傷してしまうこともありました。
「清潔」のハードルを地面まで下げよう

真面目な人ほど、「毎日湯船に浸かって、全身を洗わなきゃダメだ」という「100点の入浴」を目指してしまいがちです。
でも、今は非常事態です。思い切って、合格ラインを地面スレスレまで下げてしまいましょう。
「臭わなければOK」「死ななきゃOK」。
それくらいの気持ちで、まずは「入れない自分を責めること」をやめるのが、回復への第一歩です。

インフルエンザやコロナで高熱を出している人に「風呂キャンセルは甘えだ!」って怒る人はいませんよね。
うつ病だって許されていいんです!私が許します!!
私が実践した「お風呂の負担」を減らす工夫

そうは言っても、やっぱり気になりますよね。
そこで、私が実際にやっていた「物理的に負担を減らす方法」を2つ紹介します。
1. 髪をバッサリ切って「ドライヤー地獄」から脱出
私にとって最大のラスボスは「ドライヤー」でした。
腕は重いし、暑いし、音もうるさい。
そこで、美容院に行く気力すらありませんでしたが、決死の覚悟で髪をバッサリとボブにしました。これが大正解でした。
「髪を乾かす」という一番しんどい時間が半分以下になったことで、お風呂への心理的ハードルが劇的に下がったのです。
※当時の私が美容院へ行くまでの葛藤や、切った後の変化については、以下の記事で詳しく綴っています。
2. どうしても入れない日は「文明の利器」に頼る

今日はどうしても無理。でもベタベタして気持ち悪い……
そんな日は、無理にお風呂場に行こうとせず、「お風呂に入らなくてもスッキリできるグッズ」に頼りましょう。
介護現場でも使われている「体拭きシート」や「ドライシャンプーシート」は、うつ病療養中の私たちの強い味方です。
布団の中にいたままでも、サッと拭くだけで気分が変わり、自己肯定感が少し回復します。
これ以外にもドライシャンプーやオールインワンなど、私が実際に救われた「神アイテム」たちを以下の記事でまとめています。
自分に合うものがないか、ぜひ探してみてください。
まとめ:自分を責めないことが一番の「ケア」
もし、今日もお風呂に入れなかったとしても、自分を責めないでください。
「なんで入れないの?」ではなく、「今は休むことが仕事なんだね」と自分に声をかけてあげてください。
あなたの価値は、お風呂に入ったかどうかで決まるものではありません。
便利なグッズや、ちょっとした工夫(髪を切るなど)に頼りながら、今のあなたのペースで過ごしてくださいね。

闘病中の方にぜひ頼ってほしいアイテムたちをまとめた記事もあります!









コメント