
「医療費控除」を利用するとお金が返ってくるらしいけど、難しそう…

確定申告が必要になるみたいだし、自分には無理かも…
医療費控除について、そんなふうに思っている方は多いのではないでしょうか?
うつ病で通院していると、ただでさえ体調に波があって普段の生活で精一杯なのに、確定申告なんて無理……。
そう感じてしまう気持ち、よくわかります。
かくいう私も、去年は医療費が16万円ほどかかったにもかかわらず「手続きが面倒だ」という理由で、確定申告をしませんでした。
でも、もしあのとき動けていたらいくらかお金が戻ってきていたはずです。

そう思うと、少し悔しいです…
この記事では私自身の経験を踏まえて、うつ病で通院しているあなたに医療費控除を利用してもらうために書きました。
お金の専門家ではない私だからこそ、なるべく難しい言葉を避け、あなたが「これならできるかも」と思えるようなやさしい解説を心がけます。
この記事を読み終える頃には、きっと医療費控除が身近な制度に感じられるはずです。
医療費控除と似ている支援制度は、こちらの記事にまとめています!
第1章:そもそも医療費控除って何?

まずは医療費控除がどんな制度なのか、シンプルに全体像を把握しましょう。
医療費控除とは、簡単に言うと「1年間で払った医療費が一定額を超えた場合に、その分の税金が戻ってくる制度」です。
あなたの治療費が家計の負担になっているなら、ぜひ知っておくべきやさしい制度なんですよ。
知っておくべきポイントは3つだけです。
1. 誰の分までが対象?
医療費控除の対象となるのは、あなたと、あなたと生計を同じくする配偶者やその他の親族のために支払った医療費です。
別居している場合でも、仕送りなどで生活費を援助している親族がいれば、その方の医療費も合算できます。
2. いつの分が対象?
対象となるのは、その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費です。
年をまたいでしまうと、それぞれの年の確定申告が必要になるので注意してください。
3. 結局いくら戻るの?
ここが一番気になりますよね。
医療費控除で戻ってくる金額は、以下の計算式で決まります。
実際に支払った医療費の合計額 − (1)保険金などで補填される金額− (2)10万円
難しく感じる部分なので、噛み砕いて説明しますね。
(1)保険金などで補填される金額

保険金などで「助けてもらったお金」は差し引きます。
医療費控除の対象となるのは、あなたが「実際に自腹で支払ったお金」です。
もし生命保険から入院給付金を受け取ったり、健康保険から高額療養費としてお金が戻ってきたりした場合、それはあなたが「助けてもらったお金」ですよね。
この「助けてもらったお金」は、あなたが「実際に自腹を切った」わけではないので、医療費の合計額から差し引いて計算します。
例えば…
- 入院費が30万円かかった。
- でも、生命保険から入院給付金として10万円もらった。
- この場合、医療費控除の対象となる医療費は、30万円 − 10万円 = 20万円と計算します。
(2)10万円

この10万円は、「元を取る」ためのハードルです。
医療費控除は、ある程度の医療費を支払った人にだけ適用される制度です。
その「ある程度のハードル」が原則として10万円です。
つまり、1年間で10万円以上の医療費を支払わないと、医療費控除は受けられません。
ただし、年間の所得が低い人には、このハードルが下がります。
もしあなたの所得が200万円未満なら、このハードルは「所得の5%」まで下がります。
あなたの医療費が、このハードルをどれだけ超えたかで、控除される金額が決まるのです。
【私の体験談をモデルにした計算例】
もし去年私が確定申告をしていたら、いくら税金が戻ってきたのでしょうか?
私は去年、うつ病のほかにも、子宮内膜症や喘息、整骨院の治療費などを含めて約16万円の医療費がかかりました(保険金などで補填される金額はなし)。
年間の総所得金額が200万円以上だった場合
もし、私の年間の総所得金額が200万円以上だったとすると…
控除額 = 16万円 − 10万円 = 6万円
この場合、6万円が医療費控除の対象となり、所得税や住民税が安くなったはずです。

安くなる税金の金額は、「医療費控除額 × 税率」で計算されます。
6万円が医療費控除の対象になると、おおよそ1万円ほどの節税になる計算になります(所得や控除によって異なります)。
年間の総所得金額が200万円より安かった場合
私は、去年の1月から5月までB型作業所に通っていて、7月からパート勤務になりました。
そのため、実際の年間総所得金額はせいぜい40万円程度でしょう。
その場合、年間総所得金額が200万円未満(40万円)の医療費控除のハードルは「10万円」ではなく、「総所得金額の5%」になります。
ハードルとなる金額: 40万円 × 5% = 2万円
そのため、医療費控除の計算式は以下のようになります。
控除額 = 16万円 − 2万円 = 14万円
この場合、14万円が私の所得から控除され、その分、税金が安くなります。

14万円が医療費控除の対象になると、実際にはおおよそ2万円の税金が安くなる計算になります(所得や控除によって異なります)。
手続きが面倒だと感じて、去年の私は2万円分の恩恵を受けるチャンスを逃してしまいました。
読者の皆さんには、同じ後悔をしてほしくありません。
第2章:うつ病の治療費、何が控除の対象?

ここでは、うつ病の治療に関する費用で、具体的に何が医療費控除の対象になるのかを解説します。
主な対象となる費用
間違えやすい注意点

私が受けていたカウンセリングは医師による診療の一環ではないため、対象外でした。
知っておきたい!便利な制度との関係

それぞれの制度についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください!


第3章:うつ病でも無理なくできる!確定申告の手順

お金が返ってくると分かっていても、「手続きが面倒で、なかなか動けない」と思ってしまいますよね。
体調に合わせて、無理なく進めるためのポイントをお伝えします。
Step1:まずは領収書を「ざっくり」集めるだけ!
完璧に整理しようと思わなくて大丈夫です。
まずは、1年間の領収書をひとつの箱やファイルにまとめておくだけでOKです。
体調が良い日に、少しずつ計算を始めましょう。

私もとりあえず大きめのボックスに領収書を投げ入れています!
Step2:領収書がない場合の強い味方
交通費の記録
私は幸い交通費がかからなかったのですが、もし電車やバスを使っていたら、領収書がなくても大丈夫です。
SuicaやPASMOの利用履歴は、アプリや会員メニューサイトから確認・印刷できます。
ただし26週間(約6ヶ月)という有効期限があるので、定期的に確認しておくことをおすすめします。
医療費通知
健康保険組合などから送られてくる「医療費通知」があれば、原則として、領収書は不要です。
2017年の税制改正で制度が変わり、領収書の提出が不要になったためです。
代わりに「医療費控除の明細書」を作成して提出するのですが、その際にご加入の健康保険組合などから送られてくる「医療費通知」をそのまま利用することができます。
ただし、以下の2つの点には注意が必要です。
- 医療費通知に載っていない項目
通院のための交通費や自費診療のカウンセリング費用など、医療費通知に記載されない費用は、別途ご自身で領収書を確認して明細書に記入する必要があります。 - 領収書の保管義務
確定申告で領収書の提出は不要になりましたが、税務署から内容の確認を求められる場合があります。
そのため、領収書はご自宅で5年間保管しておく義務があります。
医療費通知を活用すれば明細書作成の手間が大幅に省けるので、ぜひ活用してみてください。
Step3:いざ、確定申告!
いざ確定申告となったときに「どうすればいいの?」と迷うかもしれません。
最近では、体調や状況に合わせていくつかの方法を選べるようになりました。
中でも、最も手軽でおすすめなのがスマホでの申告です。
スマホで申告するカンタンな流れ
- 必要なものを準備する
マイナンバーカードと、国税庁が提供する「ID・パスワード方式の届出」で発行されるIDとパスワードが必要になります - 専用サイトにアクセス
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」というサイトに、スマホからアクセスします - 案内に沿って入力
画面の案内に従って、あなたの情報や医療費控除の金額を入力していくだけです - 送信して完了
入力が終わったら、そのままデータを送信して手続きは完了です
自宅にいながら自分のペースで確定申告ができるので、体調が良い日に少しずつ進めることができます。

「自力じゃ難しい」という方は、税務署に行くと職員の方が手取り足取り教えてくれます!
もしも期限を過ぎてしまっても…
確定申告の期限に間に合わなくても、焦る必要はありません。
医療費控除の申請は、過去5年分まで遡って申請することができます。
体調が悪い時は無理をせず、まずは治療に専念することを最優先にしてください。

私も、去年の医療費控除は今年行おうと考えています!
おわりに:あなたを大切にするための第一歩
医療費控除は、あなたが自分を大切にして治療を頑張った証です。
去年の私は手続きを諦めてしまいましたが、この記事を読んでくださったあなたには、お金の負担を少しでも減らしてほしいと心から願っています。
すべてを完璧にやろうとせず、まずは領収書をひとまとめにするなど、できることから始めてみてください。
あなたの治療が、少しでも楽になることを応援しています。
精神疾患の方が利用できる支援制度は、こちらの記事にまとめています!








コメント