
おりをりおさんって、いつも穏やかだよね

怒っているところが想像できない
私は昔から、人によくこう言われます。
確かに、私は他人に対して声を荒らげたり、イライラをぶつけたりすることは滅多にありません。
でもそれは、私が「聖人のように心が広いから」……では決してありません。
ただ単に、行き場のない怒りの矛先を、すべて「自分」に向けているからです。
HSP(繊細さん)やうつ病を経験された方の中には、私と同じように「他人には怒れないけれど、自分を責めることだけは得意」という方が多いのではないでしょうか。
今日は、現役作業療法士(OT)であり当事者の私が、「なぜ私たちは自分を責めてしまうのか」そして「その隠れた自傷行為をどう手放せばいいのか」について、少し痛みを伴う過去の話と共にお話しします。

前回は、映画を見て体調を崩してしまった体験について書いています。
過去の日記:怒りの矛先は、いつだって「自分」だった
これは、まだ私が自分の生きづらさの正体を知らず、必死にもがいていた頃に書いたブログの一部です。
私は人と比べて穏やかな性格だと思います
自分でもそう思いますし、人からもよく言われます
「怒っているところが想像できない」と
実際人に怒ることはそうそうありません
なぜなら人にイライラすること自体が少ないんですよね
(中略)
そしてもう1つ、私はイライラを自分に向けるため、だから人に怒ることは少ないんです
一人暮らしをしていた頃は、実はだいぶ荒れていました
ストレスが溜まるとどうやって発散させればいいのか分からず、1人で怒鳴ってみたり、泣き叫んでみたり…
そもそもすっきりしなくて、最後は自分の指を思いっきり噛んですっきりさせていました
痛みを感じると、怒りとかがすーっと消えていくんですよね
(中略)
だけど結婚してからは自傷はしなくなりました
旦那が悲しむからというのもありますが、そもそもストレスをそんなに感じなくなったんですよね
(中略)
かといって今、私は自分のことを好きになれているかと言われると、そうではありません
正直、旦那の生活の足を引っ張る「足枷(あしかせ)」だと思っています。
自分を責めやすい、ストレスの捌け口を自分にする
こういう性格を直さないと、きっと復職した時にまたうつ病が悪化してしまうんだろうなと、ブログを書きながら思っています
【現在】なぜ私は「指」を噛んでいたのか?(OT視点の考察)
過去の文章を読み返すと、当時の私がどれだけ必死だったかが伝わってきて、胸がギュッとなります。
当時の私は、「指を噛む」という行為をただの「ストレス発散」だと思っていました。
ですが、今の私が作業療法士(OT)の視点で分析すると、これには明確な理由があります。
痛みという「鎮静剤」
人間は、強烈な「情動(怒りや悲しみ)」に襲われた時、脳がパニック状態になります。
その時、身体に強い「痛み」という感覚入力が入ると、脳の意識がそちらに逸れ、一時的に感情の嵐が静まることがあります。
当時の私は、言葉にできない莫大なストレスを、「痛み」で上書き保存することで、なんとか脳を鎮火させていたのです。
それは、溺れそうな私が息をするための、唯一の手段でした。

指を噛むのは小さい頃からの癖です。
イライラして指を噛んだ瞬間に、スーッと怒りが静まったのを覚えています。
物理的には消えても、「言葉のナイフ」は残っていた
日記の後半で、私は「結婚して自傷はしなくなった」と書いています。
確かに、指を噛むことはなくなりました。
でも、本当に自分を傷つけるのをやめられたのでしょうか?
日記の中で、当時の私は自分のことを「夫の足枷(あしかせ)」と呼んでいます。
これは、指を噛む以上に残酷なことではないでしょうか。
私は反射的に「私はなんてダメなんだ」「私がいなければ夫はもっと幸せなのに」と、猛烈な勢いで自分を責め立てていました。
指を噛む代わりに、言葉のナイフで自分の心を滅多刺しにしている。
形が変わっただけで、私はまだ「精神的な自傷行為」を続けていたのです。
「ひとり反省会」に疲れたあなたへ
これを読んでいるあなたも、もしかしたら私と同じように「怒れない優しい人」なのかもしれません。
他人に優しくできる分、その裏で「ひとり反省会」を開き、自分自身に厳しい判決を下して疲れ果ててはいませんか?
「自分を責める」というのは、一種の「責任感の暴走」です。
あなたは十分に責任を果たそうとしています。もう、それ以上自分を罰する必要はありません。
まずは「気づく」ことから
この癖は、「性格」ではなく「思考の癖(認知の歪み)」です。
だから、練習すれば必ず少しずつ手放すことができます。
私もまだリハビリの途中ですが、つい自分を責めそうになったら、こう考えるようにしています。

あ、今、心の中で自分の指を噛もうとしていたな
そうやって客観的に気づくだけでも、振り上げた拳をそっと下ろすことができます。
他人には怒らないその優しさを、ほんの少しだけでいいから、自分自身にも分けてあげてくださいね。







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