
うつ病で退職することになったけれど、この先どうやって生活していけばいいの?

どんな制度が使えるのか、全体像がわからなくて不安…
体調が悪い中、複雑な手続きや制度を調べるのは本当に大変ですよね。
日本の福祉制度は充実していますが、「自分で申請しないと使えない制度」ばかりです。
そこで今回は、作業療法士であり当事者の私が実践した、「退職前から1年半後までの制度ロードマップ」を作成しました。
今の自分がどの段階にいて、次に「どの制度」を使えばいいのか。
このロードマップを地図代わりにして、一つずつ確認してみてください。

このように、時期によって使える制度は変わってきます。
それでは、左側の「退職前」のフェーズから順番に詳しく見ていきましょう。
【STEP 1:退職前】まずは「医療費」と「休む権利」の制度
まだ会社に籍があるうちに(あるいは有給消化中に)準備すべき、初動の制度です。
1. 医療費を3割→1割へ「自立支援医療制度」
精神科への通院が続くなら、真っ先に申請すべきなのが「自立支援医療制度」です。
通常3割負担の医療費が、1割負担になります。
2. 給料の代わりを受け取る「傷病手当金」
病気療養のために退職する場合、生活費の柱になるのが健康保険の「傷病手当金」という制度です。
給料の約3分の2が、最長1年6ヶ月支給されます。
【STEP 2:退職直後】税金・保険料を安くする制度
会社を辞めて「離職票」が届いた頃(退職から2週間〜1ヶ月後)に利用すべき減免制度です。
ここを知っているかどうかで、手元に残るお金が大きく変わります。
3. 失業保険の「受給期間延長」
うつ病ですぐに働けない場合、失業保険(基本手当)はすぐには貰えません。
その代わり、「働く元気が出るまで権利をキープする制度(受給期間の延長)」を利用します。
4. 国保・年金の「免除・減額制度」【重要】
収入がないのに高額な請求が来る「国民健康保険」と「国民年金」。
これらには、退職者(失業者)を守るための強力な救済制度があります。
私が実際に「離職理由コード33」を使ってこの制度を利用した体験談は、こちらで詳しく解説しています。
【STEP 3:半年経過】生活を守るパスポート
初診日から6ヶ月経過後、症状が続いている場合に利用できる制度です。
5. 税金や施設利用がお得になる「精神障害者保健福祉手帳」
「障害者手帳」は、様々な公的サービスを受けるための証明書となる制度です。
持っているだけで、税金の控除(住民税などが安くなる)や、映画・公共施設の割引などが受けられます。
【STEP 4:1年半経過】長期療養を支えるセーフティネット

傷病手当金が終わるけれど、まだ働けない…
そんな時のために用意されている、年金制度です。
6. 生活費が支給される「障害年金」
初診日から1年6ヶ月経っても障害の状態が続いている場合、「障害年金」という制度を利用できる可能性があります。
【番外編】緊急時に使える貸付制度
制度の狭間で、どうしても当面の生活費が足りなくなってしまった時のための制度です。
7. 社会福祉協議会の「生活福祉資金貸付制度」
失業などで生活が苦しい時に、無利子または低金利でお金を借りられる公的な貸付制度です。
あまり知られていませんが、消費者金融とは全く違う「生活を立て直すための支援」です。
単にお金を貸すだけでなく、民生委員などが生活再建の相談にも乗ってくれます。
8. 最後のセーフティネット「生活保護」
「借金はしたくない」「もう返済能力がない」という場合の最終手段として、「生活保護」があります。
もし、すべての手段が尽きてしまったとしても、この制度がある限り「生きていけない」ということはありません。
実際にうつ病で利用する際の条件や、偏見に対する考え方は、こちらの記事でまとめています。
まとめ:制度を知ることは、自分を守ること
うつ病での退職は不安がいっぱいですが、日本にはこれだけの「守ってくれる制度」があります。
このロードマップを参考に、まずは手元の手続きから一つずつ確認してみてください。
制度を味方につけて、ゆっくりと心を休める時間が作れることを願っています。
最後に、今回ご紹介した制度を含め、うつ病の方が利用できる「経済的な支援制度」だけを厳選してまとめた記事もあります。
「どんな制度があるか、一覧でパッと確認したい」という方は、こちらも合わせて読んでみてください。















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